KISS
目が覚めたら、一番にキミの顔が見たい
何より先にキミがいることを確かめたい
――そう言うと
腕の中のキミは、おだやかに微笑んで
目を閉じる最後の瞬間、私の瞳にあなたの顔を焼きつけるわ
――と答える
それは……だめだ
僕は、そう言って首を振る
どうして?
――と、彼女が可愛く首を傾げる
そのままキミが目を覚まさなかったらイヤだから
あの時みたいに
あの時は、君がもう、二度と目を覚ましてはくれないのだと、悲嘆に暮れた
キミのいない地球に帰っても、無意味だと絶望した
だから
僕の言葉にキミの瞳が、ふと翳る
それなら私を、決して離さないで
ずっと、ずっとそばにいて
何があろうと、きっと……
そう言ってキミは涙ぐみ、言葉を詰まらせる
私、眠らないわ
だから、あなたも
眠らないで……
キミの、やさしい眼差しに
子供のようになってしまう僕
僕は微笑んで、頷く
眠らないよ
ずっとキミの顔を見つめていよう
キミの白い手が、そっと僕の頬を包む
幸福な温もり
そして――
やわらかなキス
愛しているよ
――僕は呟く
愛しているわ
キミの唇が、そう応えて
もう一度、僕の唇に触れる
僕は思わず
彼女の細い身体を、ぎゅっと抱きしめる
忘れないで
――と吐息のようにキミが呟く
私の魂はいつも
あなたの魂と共にあることを
忘れないよ
忘れるものか
――胸が熱くなる
全身全霊、愛を込めて
今度は僕からキミへ
最高のキスをしよう
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恥ずかしいので裏扱いだったシロモノです。
コレは、ず〜っとずっと昔に、書いた――といいますか、そもそも「古代と雪」で書いたモンじゃなかったんです。
ちょいと手直しして、カタチにしてみました。
こういうラブラブもんていうのは、心底、恥ずかしーんですよねえ。
ワタシのガラじゃないもんで。
これは、まだ初々しい頃の二人――ですかね、イスカンダルから帰ったばかりの。
「忘れない」なんつっといて、古代君は、その後、雪ちゃんを置いてっちゃうワケですな。「2」なんか二度も……。
ま、仕方ないといえば仕方ないですけどねえ……。
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