『モミアゲ君!』 『は〜い♪』




「おまえか!?」
そう言って。
ひとりの青年が神倉涼の前に仁王立ちになった。

「は?あ……。」

島大介だった。

「おまえか!俺のことを『モミアゲ君』などと呼んでいるのは!!」
鼻の穴を膨らまし、何やらかなりご立腹のようだった。

「はぁ、いかにも。いやあ、ほんまもんのモミアゲ君だ。初めましてでもないハズだけど、こんにちは、モミアゲ君。」

「ま、まだ言うか!誰が『モミアゲ君』だ!」

ツバを飛ばし、怒り心頭の島に、にへらと笑って答える涼。

「誰ってアンタしかおらんわい。だってほら、ここ。ここが――」
そう言って涼は満面に笑みを湛え、両手の人差し指を立てて島大介ににじり寄ると……。
モミアゲ両サイドをツンツンとつついてみせた。
「なんとも、ご立派だったから。でもって天パ?わはは!!」

「うっ……!?」
島は、そこに何かツボでもあったかのごとく動けなくなった。

「あ、もしかしてホントは髪の毛?いやあ、どこまでを髪の毛、どこまでをモミアゲと呼称したらよいのやらわからんけども。
お気に召さなかったようですなあ。名前が出て来ない時はソレでたいてい通じてたからつい……。
申し訳なかったですな。
で、以後、なんとお呼びしたら?」

「普通に『島』でいいだろうが!」
憤然と答える島。

「あ、そうか!」
今、気づいた――とでも言わんばかりの惚けた表情の涼。

「そうか……って、おまえ――」
虚脱する島。

「酒造ちゃんもしろうちゃんもケンちゃんも古代進も、『モミアゲ君』って言やあ、すぐにわかってくれたから、それで馴染んじゃったよ〜。」

「くぅ〜っ!!」
涙目になる島。

「ところで、しろうちゃん、って誰だ?」

「さなだしろう。」

「……。」
絶句する島。

「結構、仲良しなんだよ。」

「……。」
更に絶句。

「け、ケンちゃんとは?」

「太田のケンちゃんだけど?」

「う…。」

うつむき、額を押さえて呻く島に、涼は何やら得意げな顔で解説を加える。
「ケンちゃんはメシ友。酒造ちゃんは文字通り飲み友達。しろうちゃんは暇つぶし要員。南部のぼっちゃんは金ヅル。古代進はおもちゃ。森雪は天敵。」

「天敵…?」

「そ。天敵。あの女に関わるとろくな目に遭わんのだ。まさしく天敵!!」
涼は眉間に深〜いしわを寄せて答えた。

げんなりと涼を見つめていた島が、ふと何かに気がついた。

「あ、相原は?相原がいないぞ?」

「……つきあいないもん。」

「なぜだ?」

「接点がなかったもん。」

「…あだ名すらないのか?」

「うん。」

「俺の勝ちだな。」
にっ、と笑う島。

「……どのヘンが勝ち?」
小首を傾げて涼。

「俺にはちゃんとあだ名がある!残念だったな、相原!俺の勝ちだ、俺の勝ち!わっはっは!!」

島は高笑いをしながら、何やら嬉しげに去って行った。

「……行っちゃったよ。なんだったんだ?
名前を忘れられて『モミアゲ君』と呼ばれることがそんなに嬉しいのか?わからん人だ…。」
とかなんとか呟きつつ、瞳の奥を輝かせる涼であった。

そう、神倉涼に。
またひとつ、新しいおもちゃができたのである。











 ●○●○●○● おしまい ●○●○●○●











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■ちょほいとヒトコト
くだらないものを書いてしまった…。
その…、以前、ブログにとある芸能人が島大介に見えちゃって仕方ない――みたいなことを書いたことがありまして。
その後、面白半分というか遊びで書いたものです。
島君ファンに申し訳ないので、裏行きとあいなりました。

で。
そのとある芸能人とは・・・「石原良純サン」でありました…。
尾崎紀世彦…でもいいんだけどさ(笑)