激闘!ファルコン


フォンロンの砲門を塞ごうと新手の敵艦載機は執拗に攻撃をしかけて来る。
最新鋭の戦闘機ファルコンが迎撃すべく、すぐさま飛来して来た。

敵艦載機の数はファルコンを上回っている。
しかし、かつてのコスモタイガーを遥かに上回るスピードと破壊力を誇るファルコンを前に敵艦載機は次々と散っていく。

ファルコン・チームの中でも、ずば抜けたテクニックで、競うように次々と敵機を撃ち落としている機があった。

勝呂巧とエディ・マッキャンである。

「へっ。これで18機。俺の勝ちだな、勝呂。」
「るせーんだよ。そんなん、すぐ抜いちゃうもんね〜。おらおら、逃げんなよ。16っと。」

まるで遊んでいるような戦いぶりの2機を、ファルコン隊隊長・水谷秀人が一喝した。
「バカ野郎!何やってんだ、貴様ら!!俺達は競射ゲームをやってるんじゃないんだぞ!!それにな、勝呂――」
「なんすか?」
口を尖らせて不満気に答える勝呂。
「あんなふざけた戦い方を吉岡に見られたら嫌われるぞ。アイツ、ああ見えて平和主義者なんだからな。」
「ばっ、なっ、たいちょー!!何言っちゃってんすかっ!!(つーか、なんで知ってんだよ!!)」
勝呂の慌てぶりに、水谷は言った
「おまえ、態度バレバレなんだよ。」
「ちーっ。隊長、マジメなカオしてなんなんスかっ!!」
「いいか、俺達は遊んでるんじゃないんだ。これは実戦だ!!生死は紙一重なんだぞ!わかったな。」
「ういーッス。」
二人は仕方なく、そして、気のない返事をする。

「ちょっと俺ら調子に乗り過ぎちまったかもな。」とエディ。
「まあな。」と勝呂。

数では上回っていた敵機だが、望んでいた結果を得るどころか、徐々にファルコン隊に圧され、数十機あまりになってしまったところで、あたふたと撤退を始めた。

そんなファルコン隊、余裕の戦いの中、味方の1機が煙を噴き出した。
エンジントラブルである。
すかさず残っていた敵機が狙い出した。

その時、味方機を庇う様に、別のファルコンが突っ込んできた。
2機は敵機の集中砲火を浴び、割って入った方のファルコンが激しく火を吹いた。

エディ機である。

「エディーっ!!」
勝呂が絶叫する!

2機のうち庇われた1機は何とか機体を保っているが、エディ機は絶望的だった。
「大丈夫か、エディ。しっかりしろっ!頑張れ!頑張れ!!諦めるな!頑張れ!!くそっ!おいっ、おいっ!!脱出できないのかっ、エディっ!!」
パイロットのエディを必死に励ます勝呂の声が悲痛に響く。

「(ガガガガ――)……すまん。勝呂ッ。だっ、ダメだ。お前……戻れ!早……く!オレの分まで、うわああーっ!!――(ガガガガガ――)」
エディの機体は爆発、四散した。

「あっ!エディ!?エディー――ッ!!うわわあああっ――!!こンの野郎ォオオオ――ッ!!」
勝呂機が急旋回し、敵機の真っ只中へ向かっていった。迎え撃つ構えの敵機。しかし、それを次々に交わして勝呂機は反撃を始めた。たちまち敵の何機かが火を吹く。

『水谷。』
隊長の水谷機に古代から通信が入る。
「はい。」
『敵機はどうやら撤退を始めたようだ。こちらも無駄なエネルギーを消費したくない。一旦、引くんだ。』
「はっ!」
大切な部下を失った水谷は、奥歯をギリギリと噛み締め、操縦桿を引いた。

一方――。
尚も追撃しようとする勝呂機を諌めるように通信が入った。
水谷だった。

「勝呂!戻れ!」
「イヤですッ、隊長ッ!エディがやられたんスよ?ここで引き下がるなんて、できねえっ!!」
「バカ野郎ッ!!何のためにオレたちは戦ってると思ってるんだ!エディを思うなら、深追いはするな!」
「しかし――」
「これは艦長の命令だ!」
「うっ!くっそおおおおーっ!!」
最後まで粘っていた勝呂は、後ろ髪を引かれる思いで反転し、合流した。



フォンロン、メインブリッジ――。

相原が、古代を振り返って言った。
「水谷からです。ファルコン隊ですが、負傷者6名、共に軽傷だそうです。ただ、エディ・マッキャンが――。」
相原が言葉に詰まる。
「やられたのか?」
「はい。」
「そうか。エディが……。明るくていいヤツだったのに……。」
うつむき加減に返事をする相原に、古代は辛そうに表情を曇らせた。




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